<2009年1月例会教育より>
 
「スピーチについて」
スピーチは一般に2つの種類に大別できます。
準備されたスピーチと、即興または即席スピーチです。スピーチをすることは、話し手と聞き手 との相互作用ですから、メッセージを明確に伝えるのが話し手の役割です。またスピーチが終わる 時、聞き手が述べられた内容を正確に要約できるものでなければなりません。 これができて始めて話し手と、聞き手の間に本当のコミュニケーションができたことになります。

この目標を達成するために、まずスピーチの論題そのものを正しく選ぶことが大切です。 主題はスピーチのテーマとなるものです。主題は基調となる考え方とか提言とか、中心概念とか さまざまに言われていますが、それは具体的なメッセージとして選んだ考え方を一文にまとめた ものです。

スピーチの主要部分は、導入・本論・結論の3つの部分に分けられています。 導入=テーマに合った舞台を設定する雰囲気や、特色背景を打ち立てるスピーチ全体のほぼ10%    をしめます。 本論=少なくとも2つの主論点を持ち出し、その各々を幾つかの副論点で裏付けて主題を検証す    る全体の85%を占める。 結論=新しい素材を追加することなく、主題や前置きを要約するスピーチの5%を占める。 この基本形は、シヨートスピーチでも、1時間2時間という長いスピーチでも変わりません。 時間配分が違ってくるだけです。スピーチの時間が短ければ短いほど凝縮されたスピーチが要求さ れます。ショートスピーチは、導入・本論・結論を時間内にきっちり終わらせる事が大切です。

「スピーチ」には、構成の基本形・4セクションというものがあります。 最初は、イントロダクション(導入部)です。導入部とは、あなたが本当に言いたいこと「テーマ」 を聴衆にしっかりと聞いて貰うためには最初のセンテンスで聴衆の「注意と興味」を自分のほうに 引きつけることが大切です。一瞬のうちに聴衆に「聞いてみたい」という気にさせる、つまり、 「えっ、なになに」とスピーチに引き込むように導くのが「イントロダクション」の役目です。  

次にテーマを考えます。このスピーチを通してあなたが言いたいことを基本的に「ワンセンテンス」 にまとめはっきりと明確に言わなければなりません。自分が本当に「何を言いたいのか」を自分自身ではっきりと知るために「ワンセンテンス」でテーマをまとめることが重要です。そしてそれを いかに効果的に提示するかを考えこの部分は、絶対に聴衆に覚えて帰って貰おうと決意し、 そのために最もいい方法(言い回し)を考えることが大切です。スピーチの長さにより、時間配分が 異なりますのでこのテーマの部分が「ワンセンテンス」だけになる場合と、その前後を膨らませる 場合もあります。

次に本文です。 「テーマ」を主張するにあたり、「テーマ」を支える2つの理由を考えます。そして本文のなかで その「2つの理由」をくわしく述べてゆきます。沢山の「理由」があり迷うと思いますがスピーチ の場合はあなたが一番重要だと信じている理由を2つ選びそれを、きっちりと主張することが大切 です。「理由」は「感想」とは違います。スピーチは「あなたが聴衆に何かを言いたい」から行う ものなので、「感想」で自己完結してしまっては、相手に伝わらなくなります。つまり 「あ、そうあなたはそう思ったのね」で終わってしまっては何もならないということです。 「そうかあなたはそう考えているのか私も同感だは」とか「なるほどそういう考え方もあるのか、 でも私はそうは思わないは」とか、聴衆に新しい視点で物事を見直して貰うチャンスを与えるため に行うのがスピーチなのです。

結論としまして、このスピーチであなたが言いたかったことを、言葉を置き換えて、聴衆に最も 印象に残るような方法で再度伝えて終わることが大切です。

演台上での基本的手順は

名前を呼ばれたら姿勢よく颯爽と立ち上がり、颯爽と歩いて 下さい。この時点で既に審査員は見ています。 2度目に名前を呼ばれたら、一礼のあと、微笑み、 プログラムリーダー及び聴衆に呼びかけます。 ここからタイムが計られます。又、呼びかけをせず、 すぐにスピーチを始めてもよいのです。 スピーチそのものに取りかかったら伝えたい事柄以外は すべて忘れてください、集中すること、 聴衆に直接話しかける様に聴衆を見つめ、表情に注意しなが ら話を進めてください。 スピーチが完了したら少し待って一礼して静かに退席します。聴衆に「有り難うございました」など述べる必要はあり ません。又、以上です・終わりです・なども不要です。

締めくくり スピーチの最後に、来るべきものですが、実際には一番先 に締めくくりを作ります。 それは自分の話したい事を浮き立たせる様な効果が無くてはなりません。

スピーチの練習
1.最初から終わりまで通してする(途中でやめない)
2.丸暗記は、有害無益です。但しアウトラインと要点は、暗記します。
3.メモを持たずに練習します。
4.スピーチの時間を計りましょう。 身体の動かし方の練習の注意点は(身体を使ってスピーチをする感覚を会得する)ことです。

姿勢=体重を均等にかけ、腕は自然におろし、いつでも身振りできるようにしておきます。
視線=聴衆全体に目を配り中心部にいる人ばかりでなく端の方にいる人にも目を向ける様に気をつけましよう
表情=顔や手や身体の表情にとぼしい性格の方は練習の時に大げさな身振りをしてみるのもいいでしょう。 身振り=身振りは抑制し意味のあるもので無意味な挙動をしない様にする。何の意図も無い余分な動作をす れば、直立不動で話す場合と同様聴衆の注意を話からそらすことになります。

話の組み立て方
1.先ほども述べてありますが導入からすぐ結論を言う事がキーポイントです。
2.次にその理由を言います。

話し方
心得として声に変化をつけましょう(強く・弱く・テンポは早く、高く、低く)
1.誰か最も良い手本を決めて、その人の話し方を勉強しましよう。
2.話す材料を仕入れて勉強を常につづけましよう。
そのエキスだけを話すこと、知っている事を全部話すこと程野暮なことは無いそうです。
3.話には、楽しさ(娯楽性)役に立つ(有用性)感動する(教育性)の三要素を入れて話せば魅力あるスピーチとなります。

最後に審査員としてこられた岩崎裕美さんのアドバイズを 今一度かみしめたいと思います。
1.スピーチの目的をより明確に。
 一人芝居では聴衆との間に溝ができてしまいます。  何のために話すのか、目的意識を明確に。
2.自分を客観的に見つめる。
 人前で話すには、自己コントロール力が必要です。何度も練習を繰り返すことで、リズム・間・表情にまで意識でき  る余裕が出てきます。
3.思っていることを適確な言葉であらわす。
 日常から言葉を大切にする、気持ちにピタッとくる言葉を探す習慣を身につけること。  言葉を通して伝わってくるのは、その人の生きる姿勢です
 以上申し添えまして・・・
  
2009年1月16 日京都クラブ例会教育 近松淳子作成
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